Transcription
[音楽] Dare.
はい、皆さんこんにちは、コアラ先生です。今回のテーマは金利の仕組みです。金利という言葉は日常的に耳にするとは思いますが、テーマは金利ですと言われても、どんな内容なのかピンとこない人も多いかもしれません。普段は金利について深く考えることは少ないと思いますが、実は経済などを学ぶにあたって金利はとても基本的な要素で、至るところに登場してくる超重要ワードだと言えます。
そこで今回は、そもそも金利とはどういうものなのかという超基本から、金利が高くなったり低くなったりする仕組みについて掘り下げた上で、国が設定する政策金利の内容まで学んでいきたいと思います。
それから、このチャンネルでは政治や経済のことについて10分くらいで簡単に学べる動画を定期的に配信していますので、興味を持っていただけた方はぜひチャンネル登録をして、先生と一緒に学んでいきましょう。
まずは金利の仕組みについて考えたいと思います。金利って結構広い意味で使われるんですが、色々省略して簡単に表現すると、貸したり預けたりしたお金に対して付けられるお礼のお金だと言えます。例えば、BさんがAさんに100万円のお金を借りたとします。そうすると、その100万円をそのまま返すというのでもいいんですが、よほどの信頼関係がない限り、Aさんにとってはリスクしかありません。Bさんがその100万円を持って逃げてしまうかもしれないですし、逃げないまでも全然返してくれないかもしれません。なので、二人は1年後に101万円にして返すという約束で貸し借りを行うことにしました。つまり、借りた100万円をお礼の意味を込めて101万円にして返すということですね。
こうなった時の、もともと借りたお金は元本とか元金などと呼ばれ、上乗せする1万円のことを利子や利息などと言います。一般的に金利というのは、この元本に対してどれくらいの利子をつけるのかという割合のことを指します。今回の例でいうと、元本100万円に対して利息が1万円なので、金利は1%だということになります。そして、約束では1年後に101万円にして返すことになっているので、この金利は年率1%という表現になります。金利はほとんどの場面で年率で表されているので、通常だとこのやりとりは「金利1%でAさんがBさんに100万円を貸した」と表現されます。
そして、金利は借金だけでなく、銀行預金などでも同じように使われます。預金はつまり、我々が銀行にお金を貸している状態だと捉えることができます。
さて、この金利なんですが、貸し手借り手の状況によってその利率が変わってきます。もっとも重要な要素といえるのが、借りる相手の返済能力です。これまた100万円の貸し借りを行う場合を例としますと、安定した職業に就いていて収入もそれなりにあるBさんと、定職に就かず収入も月によってまちまちなCさんとでは、貸す側のリスクは全然違います。Bさんの場合であれば、よほどのことがない限り、きっちり返してくれるだろうと見込みを立てられるので、貸す側のAさんは「まあ、3万円くらい増やして返してくれれば十分だね」と考えることができそうです。そのため、金利3%で貸し付けを行うことにしました。
一方、収入に不安のあるCさんに大金を貸すのは危険だと考えられます。明日けど帰ってこない、貸し倒れになってしまうかもしれないからです。そういったリスクを考えれば、AさんとしてはBさんのように3万円程度の利息では、とてもじゃないけど貸し付けられません。なので、AさんはCさんに対しては15万円の利息を要求することにしました。これはつまり、100万円を115万円にして返さないといけないので、金利は15%ということになります。
このように、金利は相手の返済能力、さらに広い意味に言い換えると信用度によって大きく変わってくるものだということなんです。この通り、金利というものは個別の信用によって高い低いが決まるものだということが分かりました。
現在、日本では高すぎる金利は法律で禁じられているものの、おおむね自由な形で金利は決定されています。ただ一方で、国によるゼロ金利政策とかマイナス金利などという言葉をニュースで聞くことがあると思います。これらはざっくり言うと、国が世の中の金利のベースとなる部分を決めているということなんです。国が公式に設定している金利のことを政策金利と呼びます。国が設定する金利なので、民間の取引はこの政策金利を基準に動いていくというのが基本的な考え方だと言えます。
では具体的に、国はどのようにして政策金利を決めていくのでしょうか。この政策金利は、日本の中央銀行である日本銀行(日銀)によって決定・調整されます。細かい仕組みを説明するとそれなりに時間がかかってしまいますので、今回は割愛し、別の解説で取り上げたいと思います。
この政策金利なんですが、日本では長いこと0以下の金利が設定されています。基準である政策金利がゼロ以下であるため、私たちが銀行預金で得られる利息も連動してほぼゼロとなっています。通帳の取引履歴を見ていると、利息と書かれた項目で数円とか数十円の入金が年に3回ほどあると思います。これが平均0.001%とも言われる預金の金利なんですね。
ではなぜ日銀は政策金利をゼロに近づけるのでしょうか。それは日本の景気と関係があります。金利と景気には密接な関係があって、金利が高ければお金を借りたい人、借りられる人が減って景気が落ち込みます。新しい事業を始めようと思うけど、金利が高いと儲け以上に利息を払わないといけないので、赤字になってしまうということなんですね。反対に、金利が低いとお金を借りたい人、借りられる人が増えて景気が上昇します。金利が低ければ払う利息が減るので、積極的に設備を買い替えたりできるようになるわけです。
日銀はこの仕組みを利用して、景気が極端にならないように調整をします。景気が過熱するとバブルみたいになってしまうので、金利を上げて世の中にお金が回りすぎないように仕向けます。これを金融引き締めと呼んだりしています。反対に、景気が悪い時は金利を下げて、みんながお金を使いやすいようにサポートします。こういったことを金融緩和と言います。現代の日本は長い間この金融緩和の状態にあると言えます。
この動きを具体的に見ていくと、日本はバブル崩壊後の1990年代初頭から平成不況という景気低迷に直面し、低金利政策を実施してきましたが、景気回復の兆しは見られず、この時期は失われた10年と呼ばれるようになりました。2000年頃に政策金利はほぼゼロに設定されるようになりました。2006年には一度金利を引き上げる判断がされましたが、2008年のリーマンショックを機に再び金利は引き下げられ、またしてもほぼゼロという形になりました。さらに日銀は金利の深掘りを狙い、2016年からマイナス金利を導入しています。マイナス金利に関しては、さらに一歩進んだ理解が必要なため、詳細の説明はこちらも別の機会に預けたいと思います。
この政策金利、どんな影響があるのかというと、政策金利が上昇すれば世の中の金利のベースが上がると考えられます。もっともわかりやすい例で言うと住宅ローンの金利です。
[音楽]
こちらのグラフが住宅ローン金利の長期推移を表示したグラフなんですが、オレンジ色のグラフが変動金利で、その時その時の住宅ローン金利水準を表していると言えます。かつて1980年代まで6%から8%だった頃と比べ、現在では年2%台まで低下しています。先ほどお伝えした平成不況後の利下げ局面や、2006年から2年ほどゼロ金利が解除された時期などを見てみると、政策金利の変動とほぼ一致していることが分かります。ちなみに現在では、強力な金融緩和の影響による銀行同士の割引競争によって、住宅ローン変動金利は実際には1%を切る水準で取引されているとも言われています。
このように、政策金利は国内におけるあらゆる金利のベースが調整されるイメージで捉えることができます。政策金利は現在の金利を表している短期の金利だと考えることができますが、経済ニュースなどでは長期金利という言葉をよく耳にします。長期金利は政府の発行する国債と強く関わってくる内容であるため、詳細までは説明しませんが、国債についてもまた取り上げていきたいとおもいます。
それでは、今回のまとめです。金利とは簡単に言えば、お金を借りたとき、貸したときに支払われるお礼のお金で、いくら払うのかは借りた人の信用度などを基準に決められるのが常になっています。そうした中で、日本銀行が設定する政策金利は、国によって決められる、いわばベースの金利だと言えます。世の中の金利が低ければお金を借りる人が増え、高ければお金を借りる人が減るという特性を利用し、日本銀行は政策金利を上げ下げすることで景気の状況を調整しています。そして、長引く不況、低成長時代を反映して、現在の日本の金利はマイナス圏にまで突入しているというわけです。
それでは、今回も最後まで見てくれてありがとうございました。またお会いしましょう。