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【メキシコ】エルメンチョ死亡で麻薬カルテルの今後の動向!世界経済への影響!

【世界経済情報】モハPチャンネル10:14

Transcription

はい、モハピーチャンネルです。

2月22日、メキシコの麻薬組織ハリスコ新世代カルテルCJNGのリーダー、ネメシオ・オセゲラ・セルバンテス容疑者、通称エル・メンチョがメキシコ軍の作戦によって死亡しました。

これを受けて報復と見られる攻撃や道路の封鎖、放火などが複数発生し、国家警備隊員が25人以上死亡しました。日本のメディアでは「暴動」といった表現で報道されていますが、これらの麻薬組織は軍隊に近い装備を有していますので、かなり内戦に近いような状況だと言っていいのではないのでしょうか。

今回はメキシコで起こっていること、そしてそれが世界経済に与える影響などについてお話ししてみたいと思います。

2月22日、メキシコの麻薬組織ハリスコ新世代カルテルCJNGのリーダー、エル・メンチョがメキシコ軍の作戦によって死亡しました。逮捕を目的とした作戦で死亡したと報じられています。メキシコの国防省の発表では、メキシコ陸軍が作戦を実行し、国家警備隊と空軍が支援をする形で行われたということです。

このところトランプ政権はメキシコに対して麻薬組織への取り締まりを強化するように圧力をかけていまして、メキシコ軍と連携して国境付近で麻薬組織対策を強化していると言われていましたが、今回の作戦にアメリカは直接的には関わっていないとメキシコの国防省は説明しています。

で、エル・メンチョ氏が死亡したのをきっかけに、西武ハリスコ州を中心に報復と見られる攻撃や道路の封鎖、放火などが複数発生。歴史32週のうち20の州の道路に合計250箇所を超えるバリケードが仕掛けられました。攻撃はアメリカとの国境からグアテマラとの国境まで広い範囲で行われたということです。

で、国家警備隊員が25人以上死亡。そしてエル・メンチョが死んで終わりというわけではなくて、これから泥沼化していくのではないか、そんなことが言われています。

そもそもハリスコ新世代カルテルっていうのはどういう組織なのか。2009年頃に設立された組織で、リーダーのエル・メンチョと言われる人物は元警察官。コカインやフェンタニルなどの麻薬の密輸を主な収益源としていて、民間人に対しても暴力行為を行ってきたとされています。構成員は現在2万人から3万人以上いると見られています。軍事ドローンや地雷など軍隊並の装備を有していて、メキシコ軍やメキシコ連邦警察とも戦闘を続けてきた組織です。これだけの武器を有している組織と軍隊が戦うということですので、内戦に近いと言っても過言ではないと言えるでしょう。

このハリスコ新世代カルテルの創設者でありリーダーでもあったエル・メンチョが死亡して、その後どういう展開があり得るのか。誰が後継者になるのかっていうのが1つの注目になっています。で、有力とされている人物は、ハリスコ新世代カルテルの戦闘部隊を率いているゴンサロ・アギナル・ゲイタ氏、通称エル・サポと言われている人物。それから南東地域を束ねているファン・カルロス・バレンシア・ゴンザレス氏、通称L03と言われている人物が有力といった見方があります。この後継者争いで内部での対立が激しくなって分裂していくという展開も可能性としてはあると見られています。

ハリスコ新世代カルテルという組織はいわゆるフランチャイズのような運営になっているということで知られています。組織の中には小さなカルテルが多数存在していて、この辺りは日本のヤクザともちょっと似ているかもしれません。なんとか組の中にまた別のなんとか組があったりするわけですが、小さな組織が複数集まって構成されていて、トップが変わると統率がうまくいかなくなって分裂したりする可能性があります。

で、もう1つの巨大麻薬カルテル、シナロアカルテルはリーダーが逮捕された後、内部闘争が激化しています。ちなみにメキシコ軍はシナロアカルテルとも戦っています。エル・メンチョの死をきっかけに別の麻薬カルテルとの対立や縄張り争いが勃発する可能性もあります。メキシコ国内にはハリスコ新世代カルテル、シナロアカルテルという2大カルテル以外にも中堅のカルテルは複数存在しています。ハリスコ新世代カルテルのリーダーが死亡したことをきっかけに立場の逆転を狙う動きが出てくる可能性もあるでしょう。

メキシコの軍関係者の見方では、メキシコ軍にはこれら複数の組織と広い地域において同時に戦う能力はないといった見方もありまして、政府軍によってコントロールすることは難しいと見られています。

で、こうした状況の中で世界経済への影響という意味では、メキシコが世界最大の銀の生産国になっていて、世界の銀産の1/4を占めていますので、この銀の供給にどういう影響を与えるのかというところが非常に注目されています。この銀の生産、それから物流に問題が生じてメキシコが銀を輸出することができなくなった場合、銀が足りないということになって価格が急騰する可能性があります。

これまでにも鉱山会社が犯罪組織の標的にされるということが起こってきました。今年の1月、金や銀の採掘を手掛けるカナダの鉱山会社の従業員が拉致されるといった事件が起こっていまして、その後従業員は遺体となって発見されています。このように身代金目的の誘拐や採掘物の窃盗などの被害がこれまでにも起こってきています。犯罪組織の活動が活発になって、こうした鉱山会社などが業務を行うことができないような事態になると、世界中で銀が足りないという事態に発展する可能性があるでしょう。

また、犯罪組織が道路などを占拠し、通行料を取るようなケースでは輸送コストが増加する可能性もあります。また、道路の封鎖によって空路輸送が増えると、それもコストの増加要因になります。ほ、保険料の上昇もコストの増加につながっていきます。そうした結果、銀の生産が全然できないとか、全然輸出することができないとかそういうことにならなかったとしても、銀の価格は上がってしまう可能性があります。この辺り、治安の悪化がどの程度深刻になるか次第といったところですが、まだ市場はそれほど深刻な状況になるっていうことを織り込んではいないように見えます。ですので、今回の問題でメキシコ国内の治安が一層悪化していくようであれば、もう一段価格の上昇が起こってもおかしくないと言えるでしょう。

で、治安が悪化してくると、メキシコ経済の成長率にもマイナスの影響を与えることになるでしょう。メキシコの実質GDP成長率は2024年が+1.4%、2025年が+0.8%と、このところ弱い動きが続いています。メキシコ経済ってアメリカに出稼ぎに行ったメキシコ人からの仕送りが経済を支えてきたんですが、不法移民の取り締まりの強化などを警戒して仕送りを控える人たちが増えたことで2024年頃から減少。海外からの投資が滞ったこともメキシコ経済にとってマイナスとなってきました。ですが、メキシコ国内での意見としては、治安の悪化の方が経済に悪影響を与えているといった見方もあります。今回の問題でさらに治安が悪化していくようですと、経済には一層した圧力がかかることになるでしょう。

このメキシコの麻薬カルテルの問題は野放しにしていいということでは決してありませんが、力で抑えつけようとしてもなかなか難しいというのも事実です。これまでの政権も犯罪組織の取り締まりにおいてはあまり確かな成果を上げられませんでした。その背景には汚職が蔓延していて、警察官、裁判官、政治家、様々なところに犯罪組織の息のかかった人物がいるといった見方もあります。ですので、この問題とは長く付き合っていくことになり、今後銀の価格などに一定の影響を与えていく可能性があるということは覚えておいた方がいいでしょう。

ということで今回はメキシコでエル・メンチョが死亡したことと世界経済の影響などについてお話ししました。

で、ここからご案内ですが、先週末ニコニコチャンネルで公開した動画は、スウェーデンがユーロの導入に向けて動き出したというお話。こんなところ地政学的な問題などからドル離れがますます意識されていますが、そうした中でスウェーデンはなぜユーロの導入に向けて動き出したのか、今のスウェーデンを取り巻く状況と思惑、そしてユーロやEUに与える影響などについても解説しました。

この他、ニコニコチャンネルで公開中の動画を紹介していきますが、こちらは個人向け国際について。個人向け国際について皆さん悩まれるのは、変動10年をどう考えればいいかという点ではないかと思っていまして、変動金利の債権についての考え方、どのような時に有利か不利か、その辺りを解説しています。変動金利についての解説はあんまりないかと思いますので、よかったら見てみてください。

で、こちらはトルコがEU加盟に向けて動き出した件について。トルコはサウジアラビアやパキスタンと軍事的な結びつきを強めていますが、一方でEUへの加盟に向けても野心的な動きを見せています。これも欧米の関係性の変化によって起こっていることですが、トルコは非常に野心的に動いています。EUとしても今までに以上にトルコの重要性は高まってきています。

で、こちらは意外と知らない長期金利と債券市場について。そもそも長期金利って何なのっていうところから、国際入札と市場参加者のポジション、利回りがそうした供給イベントでどういう風に変化する傾向があるかなど、債券市場の意外と知られていないことを解説しています。

こちらはベーシス取引について。ベーシス取引って米国債に絡む最低取引なんですが、これが1.5兆ドル、日本円で240兆円にも膨らんでいまして、市場が混乱する状況にならないか心配されています。このベーシス取引って非常に専門的なものなので、解説しているものはほとんどないかと思います。米国債の動向やヘッジファンドの取引に興味がある方は是非ご覧ください。

ニコニコチャンネルの動画はYouTubeよりももうちょっと専門的なことについても解説しています。もうちょっと世界経済や金融市場について学んでみたいと思う方は是非ご覧ください。概要欄にリンクを貼っておきます。

ということで今回はメキシコでエル・メンチョが死亡したことと世界経済の影響などについてお話ししました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。