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人間は他人から裏切られたり、愛想を尽かされたりして孤立した結果、孤独に苛まれる日々の中で恐ろしい狂気を育むことがあります。そして内側で膨れ上がった狂気は、身の毛もよだつような事件という形で現れ、世の中に甚大な被害を及ぼすといった事例が存在しています。ということで今回は人生に絶望した犯人によって日本の人気アニメの制作を担う京都アニメーションのスタジオが放火され、36人の優秀なスタッフが死亡した事件、京アニ放火殺人事件についてご紹介していきたいと思います。では行く。始まり。
今回の事件を引き起こすこととなった青葉真司は1978年に埼玉県で生まれると、3人兄弟の次男として育ちました。そんな青葉ですが、9歳の頃に両親が離婚したことで父親と妹の3人で暮らすようになると、青葉は家庭を支えるため高校卒業後はコンビニエンスストアのアルバイト店員など非正規雇用の職業を転々としながら働いてきました。そんな中、個人タクシーの運転手を職業としていた青葉の父親が業務中に死亡事故を起こしたことで失業し、1999年12月に自決した結果、青葉とその妹は別れて暮らすことになりました。そして一人で生活するようになった青葉は次第に貧困になり、貧しい生活により募っていた不満を発散するため、2006年9月に埼玉県越谷市で下着を盗んだところを警察に逮捕され、懲役2年執行猶予4年の有罪判決を下されました。
また青葉は出所後も2008年の世界金融危機によって派遣切りを受け職業を失ったことで、たびたび家賃滞納や騒音問題などのトラブルを引き起こすなど、貧しい日々を過ごすうちに次第に精神を病んでいったと言われています。そして2012年に自身の人生には理不尽なことが多いと感じ、社会で暮らしていくことに嫌気がさした青葉は、茨城県坂東市のコンビニエンスストアにて強盗事件を引き起こすのですが、警察の追跡から逃れられないと考えた青葉はその日のうちに警察に出頭します。そして警察に逮捕された青葉は3年6か月の実刑判決を下されるのですが、服役中に何度も問題行動を引き起こし続けたため、警察が検査を行ったところ青葉は精神障害を持っていると診断されました。
その後2016年に再び出所した青葉は、埼玉県さいたま市のアパートに入居すると生活保護を受けながら暮らし始めるのですが、精神障害によるストレスからかたびたび騒音を立てては近隣住民と揉めていたそうです。そしてこのような自身の理解者がいない孤独な生活と生活保護を受けざるを得ない状況から、社会に対して歪んだ感情を募らせていったのか、青葉は身の毛もよだつような凶行に及ぶことになります。
2019年、青葉は自身のうまくいかない人生の復讐相手に、人気アニメの企画・制作に携わっている株式会社京都アニメーション、通称京アニを選びました。
京アニは「けいおん!」や「涼宮ハルヒシリーズ」など社会現象を引き起こすほどの人気アニメを数多く生み出しており、国内だけではなく世界中のアニメファンから愛されているアニメ制作会社でした。
そして2019年7月18日午前10時頃、青葉は京アニの第1スタジオから500mほど離れたガソリンスタンドを訪れると、発電機を使うと嘘の理由を店員に告げ40リットルのガソリンを購入しました。その後青葉は路上で2つのバケツにガソリンを約10リットルずつ移し替えると、包丁とハンマー、そしてガソリンの入った2つのバケツを携帯しながら京アニの第一スタジオへと近づき正面玄関から侵入します。
そして不審な人物に対応するために青葉の元に駆けつけた数名のスタッフに暴言を吐きながら、青葉は辺りにガソリンを撒き散らすと持っていたライターでガソリンに着火しました。その瞬間激しい爆発音が鳴り響くとともに、ガソリンに着火した炎は凄まじい速度でスタジオ中に広がっていき、出火から5秒ほどで煙はスタジオの最上階である3階に到着し、30秒以内に全てのフロアが煙で満たされました。
事件発生後、1階にいたスタッフの2人が迫り来る炎から逃れることができず、非常に重い熱傷を負ってしまい、なんとか正面玄関から脱出するもその後搬送された病院で息を引き取りました。また1階で熱傷を負ったスタッフのうち24歳の女性は一命を取り留めたものの、病院で感染症を併発したことで敗血症を患ってしまい、事件から3ヶ月後にこの世を去りました。その一方でスタジオ中に炎が広がっていく中、3人のスタッフは1階トイレに駆け込んで扉を閉めたことで炎と有毒な煙から逃れることができ、その後近くにいた作業員がバールで扉を破壊し3人は無事救助されました。さらにスタッフの中には上の階にいる他の人間たちに危険を伝えるため、階段を上がって2階に到着すると「火事だ」と叫び、そのまま2階の窓から飛び降りて生還した勇敢な生存者もいました。
また2階にいたスタッフたちも爆発音を聞いた瞬間に避難を開始するのですが、すぐに周囲に黒煙が立ち込め、視界がほとんど効かない中での避難を余儀なくされました。そんな中、とある男性社員は真っ黒になった視界でかすかに見えた光をめがけて走ったところ、2階のベランダにたどり着くことができました。またその他のスタッフも男性社員の後を追うようにベランダへと駆け抜け、2階にいたスタッフのうち25名が生存してスタジオから脱出することができました。
その一方でベランダから脱出したスタッフの中には、体表における火傷は少ないものの軌道に熱傷を負ったものが多いことから、スタジオ内は非常に高熱な黒煙が充満していたと推察されています。実際に2階に残された11人の犠牲者たちは窓の付近で固まって倒れた状態で発見されており、スタジオ内からの生還が非常に困難だったことを示しています。
さらに火災によって発生した有毒ガスを含む煙が上階へと登っていった結果、3階にいたスタッフの多くが煙に逃げ場をふさがれ、2階からベランダへと脱出する経路を諦めることを余儀なくされました。そして煙によって3階に残された21人のスタッフたちは屋上につながっている階段から避難しようとするのですが、立ち込める高温の有毒ガスが辺りに充満した結果、21人中20人もの人間が階段を上がっていく途中で力尽き重なるように倒れていきました。中には屋上へと繋がる扉の前までたどり着いたものの、脱出できずに倒れていた遺体もありました。
このように多くの人間が同じ場所で固まって死亡していた理由として、屋上階段は火災による煙が溜まりやすい場所のため、避難の際に有毒ガスを吸い込んでしまったからではないかと推察されています。また3階に取り残された人たちのうち、辺りに充満する煙を吸わないようしゃがんで移動していたスタッフは、その際にうっすらと光が差し込んでいることに気づき、外に脱出できる窓を発見するとすぐにそこから身を乗り出したところ、駆けつけていた作業員によって救助されました。
このように火災から生存できたスタッフもいた一方で、合計で36名のスタッフが焼死や一酸化炭素中毒、重度の熱傷によって亡くなった上、スタジオ内に残されたアニメの資料が消失するなど、今回の事件は日本の文化を担う優秀な人材が失われることになった最悪の放火事件として知られています。
当時、今回の京アニ放火事件を引き起こした青葉ですが、彼は第1スタジオを放火した後自身の衣服にも火がついた状態で現場から逃走しようとしたところを2人の男性社員に取り押さえられました。その時の青葉の両腕は重度の火傷で皮がめくれており、右足から小さな炎と煙が出ているという命の危機に瀕する状態だったにも関わらず、青葉は「俺の作品をパクリやがったんだ。社長を呼べ。話がある。ここで倒れるわけにはいかない。これから宇治の本社に行かないといけない」と叫び続けました。この発言を受けた京アニ側は事態が収束した後、青葉との一切の関わりを持っていないとして、青葉の自身の作品を模倣されたという発言自体が彼の虚言だと発表するのですが、京アニの代理弁護士が後日調査を行ったところ、青葉が送ったと思われる学園ものの小説が2点ほど発見されました。
ですが青葉が応募したと思われる小説は一次審査を通過しておらず、京アニが制作した作品との関連性は見られなかったため、青葉の動機は逆恨みによるものではないかと考えられています。
結末。今回の事件は、孤独に苛まれた犯人が引き起こした優秀な京アニのスタッフたちの未来と日本のアニメ文化に関する貴重な資料を奪った平成史上最悪の放火事件だと言われており、アニメファンだけではなく多くの著名人も犯人に対して怒りを表明することになりました。また今回の事件後、政府はガソリンを容器で販売する際に客に身分証の提示を義務付けたり、放火やテロに対する非難の指針を策定したりと、二度とこのような事件を繰り返さないために様々な対策が取られています。
また現在青葉は熱傷の治療を受け自身の声を用いて会話ができるほど回復しているものの、「痛い、痒い。どうせ死刑になるから意味がない」と言い、リハビリに対して消極的に向き合っているそうです。またもし放火による事件に巻き込まれた場合は、廊下や室内では姿勢を低くして這うように移動したり、タオルやハンカチで口と鼻を覆って避難したりと、知っておくことで死亡のリスクを減らせる知識を冷静に思い出し実践することが重要だと言われています。
このような事件が二度と起こらないことを願っています。はい、ということで今回こんな感じなんですけど、この動画を見て「ヤバすぎる」と思った方は高評価、チャンネル登録、ベルマークの通知登録の3点をお願いします。終わり。