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はい、モハピーチャンネルです。海外のビールとして日本でも親しまれているハイネケンは、業績が不調で社長が辞任するとともに、世界で6000人に登るリストラを発表しました。今回はこのビール業界で起こっていることについてお話ししてみたいと思います。
ハイネケンは1863年にオランダで創業されたビールメーカーです。昔の頃、すでに日本にも輸入されていたといった記録も残っているそうです。ハイネケン・ホールディングスは現在では170カ国以上で販売、100カ国以上に工場を持っていて、アンハイザー・ブッシュ・インベブに継ぐ世界で2番目の市場を持つビールメーカーになっています。
そのハイネケンは2月11日、世界の従業員の7%に相当する6000人を削減すると発表しました。なんでそんなことになってしまったかと言うと、理由は単純。ビールが売れていないからです。2025年の売上高は3.6%減少、2024年も1.8%減少していましたので、減少トレンドになっているわけです。
ということで、売れなくなっている中で生産や販売にかかる設備をそのまま持ち続ければ、利益率が下がってしまうので削減せざるを得なくなっているというわけです。で、地域別に見ると減っているのはアメリカ大陸、ヨーロッパ、アジア、もうあらゆる地域で減っています。日本もそうですし、中国ですら減っています。で、増えているのは中東アフリカのみとなっています。
ですが、中東アフリカの販売シェアって全体の15%もありません。この地域はこれからまだ伸びる可能性があると見られていますが、その他の地域の減少分を賄うことは難しいと見られていて、自力品は避けられない状況になっています。
では、中東アフリカ以外の地域でなんでビールの消費量が減っているのか。これもいくつか要因がありますが、よく言われているのが若者がビールを飲まなくなっているということ。食生活の多様化で昔よりもお酒を飲まない人が増えているというのもありますし、昔に比べて知人や友人たちと飲みに行ったりする機会も減っているというのは日本だけではなくて世界的に起こっている傾向です。
私自身もあんまり飲みにはいかなくなりましたし、昔は付き合いで飲む機会も多かったですが、今ではそれもほとんどなくなりました。コロナパンデミック後の人々のライフスタイルの変化というのも関係しているでしょう。それからこれまでお酒をたくさん飲んできた世代が年齢と共に健康問題などから飲む量が減っているというのもあるでしょう。私の父親は昔は毎日風呂上がりにビールを飲んでいましたが、今では飲むものといえば焼酎がメインになっています。結果としてビールを飲む量が減ってきているという状況です。
で、こうした状況の中で多くのビールメーカーが取り組んでいることとして、まず厳しい環境の中でもビールのシェアを他に取られないようにビールブランドをしっかりと確立していくこと。ハイネケンはサッポロのビールブランド、イタリアのモレッティ、シンガポールのタイガー、フランスのデスペラードスなどを強化しているとしています。
ただそれでも自力品は避けられない中で、ビール以外のお酒の製造だったり、ビールを飲まない人に向けた商品としてノンアルコールビールの販売に力を入れていく方針としています。様々な戦略を取る中でも苦戦してきているというのがこれまでの状況です。
で、そうした状況の中で唯一今伸びている市場アフリカに活路を見い出す企業もあります。先日もちょっとお話ししましたが、日本の朝日グループホールディングスはケニア最大のビールメーカーEABLを30億ドル、日本円で約4500億円で買収することを発表したのが2025年12月のことです。EABLはケニアを中心にウガンダやタンザニアなどでも製造販売をしていて、東アフリカではトップのブランドということで、朝日としては東アフリカでトップのビールメーカーを傘下に持つアフリカでトップを争うビールメーカーになっています。で、これはこれでもアフリカという難しさも当然あるわけですが、大きな一歩を踏み出したということです。
ということで、ビールメーカーとしては唯一伸びているアフリカに活路を見い出すのか、それともノンアルコールとか別の市場を開拓するのか、そうした生き残りをかけた戦いが行われている状況です。
ちなみに朝日にEABLを売却したのはディアジオです。ディアジオっていう会社はギネスビールを傘下に持っている会社だっていうのは有名です。ただこの会社も苦戦していて、ギネスビールのブランドを売却するんじゃないかとか、そんなことも言われてきました。そんなギネスビールだけに限るとこのところ非常に好調だったっていうのは以前にもお伝えしたことがあります。ギネスって昔はおっさんが飲むもののっていうイメージが強かったんですが、イギリスのキャサリン皇太子妃がギネスが好きだとか色々きっかけがあって、若い女性が好んでギネスを飲むようになってきて、売上が爆増するなんていうことが起こりました。急に売れるようになって製造が追いつかないなんていうことが2024年に起こりました。
ただそうしたことはあくまで一時的一部の商品で起こっていることで、ビール業界全体では苦しいよねっていうのはそう簡単には覆せない。ディアジオはギネスが好調な中でもギネスブランドの売却を検討していると何度も報じられてきています。このディアジオっていう会社はビールの他にスコッチウイスキーのジョニーウォーカーとかバーボンウイスキーのI.W.ハーパーとか、上流のブランドを持っていてそっちの方がメインです。なので上流に集中した方がいいんじゃないかっていう見方があります。厳しい環境になってくる中では元々強い分野に集中した方がいいという考え方です。
とはいえビールがあんまり売れていなくて業績は厳しいわけですが、だからと言ってビール業界が終わりだとかそういうことではありません。販売量は減っているわけですが、多くの先進国で少子高齢化が進む中、それは元々想定されていたことです。減っているって言っても経営危機になるような減り方ではありません。そして私もそうですが、たまに参加する飲み会とか誰かの誕生日とかそういう機会では必ずビールを飲みます。イギリスではサッカーファンの人たちにとってもビールは絶対に必要なものです。ですので、なくなったりするような危機にあるわけではありません。需要の緩やかな現象に合わせて経営の効率化を進めていけるかどうか、そういう状況になってきていると言えます。
で、これはビール業界に限った話ではなくて、人工体の影響を受けるような大量生産されている製品で、特にテクノロジーなどで進化していくわけではないような製品の場合、似たような状況に直面しているものが多いでしょう。こうした会社がどのように生き残りを図っていくのか、成長が難しい中でも株主の要求に答えつつ、どのような選択をしていくのか、そうしたことを見ていく上でビール業界の動向も非常に注目だと思っています。
ということで今回はビール業界2位のハイネケンが6000人のリストラを発表したということについてお話ししました。
で、ここからご案内ですが、先週末ニコニコチャンネルで公開した動画はスウェーデンがユーロの導入に向けて動き出したというお話。こんなところ的な問題などからドル離れがますます意識されていますが、そうした中でスウェーデンはなぜユーロの導入に向けて動き出したのか、今のスウェーデンを取り巻く状況と思惑。そしてユーロやEUに与える影響などについても解説しました。
この他、ニコニコチャンネルで公開中の動画を紹介していきますが、こちらは個人向け国際について。個人向け国際について皆さん悩まれるのは変動10年をどう考えればいいかという点ではないかと思っていまして、変動金利の債権についての考え方、どのような時に有利か不利かその辺りを解説しています。変動金利についての解説はあんまりないかと思いますので、よかったら見てみて下さい。
で、こちらはトルコがEU加盟に向けて動き出した件について。トルコはサウジアラビアやパキスタンと軍事的な結びつきを強めていますが、一方でEUへの加盟に向けても野心的な動きを見せています。これも欧米の関係性の変化によって起こっていることですが、トルコは非常に野心的に動いています。EUとしても今まで以上にトルコの重要性は高まってきています。
で、こちらは意外と知らない長期金利と債権市場について。そもそも長期金利って何なのっていうところから、国際入札と市場参加者のポジション、利回りがそうした供給イベントでどういう風に変化する傾向があるかなど、債権市場の意外と知られていないことを解説しています。
こちらはベーシス取引について。ベーシス取引って米国債に絡む最低取引なんですが、これが1.5兆ドル、日本円で240兆円にも膨らんでいまして、市場が混乱する状況にならないか心配されています。このベーシス取引って非常に専門的なものなので解説しているものはほとんどないかと思います。米国債の動向やヘッジファンドの取引に興味がある方は是非ご覧ください。
ニコニコチャンネルの動画はYouTubeよりももうちょっと専門的なことについても解説しています。もうちょっと世界経済や金融市場について学んでみたいと思う方は是非ご覧ください。概要欄にリンクを貼っておきます。
ということで今回はビール業界2位のハイネケンが6000人のリストラを決めたということなどについてお話ししました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。