Transcription
この動画は、公式とは一切関係ない作者独自の「解釈」です。また以下のような方はご視聴をオススメしません。
・性的な話題の苦手な方
・ブラックなユーモアが苦手な方
・「一人の女の子」としてプルを深く愛している方
また、動画内でロリコン文化について考察していますが、現実の小児性愛や犯罪を肯定するものでは一切ありません。くれぐれもご注意ください。
>> めたん
はーい。
>> めたナレ
その奇妙な手紙は、今朝。
私たちの家の郵便受けに入れられていた。
>> めたナレ
切手も、消印もなかった。
そして宛名も、差出人も書かれていない。
誰かが直接、運んできた――?
>> めたナレ
封を開けると、綴り方のお手本のようなきれいな……。
ただし米粒のような小さな文字で、びっしり文章が書かれている。
>> めたナレ
書き出しは……。
>> 手紙の主
拝啓 セリフと演出から読み解く機動戦士ガンダム解説さま。
新緑の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
平素より、貴チャンネルの動画、楽しく拝見しております。大胆な解釈と、資料にもとづいた繊細な分析。同じ探求の徒の末端として、敬意を表す次第です。
申し遅れました。小生は、「ロリコン」を専門とする、在野の研究者です。貴殿のプル特集にお役立ていただきたく、勝手ながら、研究の一部を送ります。
>> 手紙の主
拝啓 セリフと演出から読み解く機動戦士ガンダム解説さま。
新緑の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
平素より、貴チャンネルの動画、楽しく拝見しております。大胆な解釈と、資料にもとづいた繊細な分析。同じ探求の徒の末端として、敬意を表す次第です。
申し遅れました。小生は、「ロリコン」を専門とする、在野の研究者です。貴殿のプル特集にお役立ていただきたく、勝手ながら、研究の一部を送ります。
>> めたん
便箋は、100枚近くある。
>> ずんだ
よし。警察を呼べー!!
>> めたん
一度目を通してからでも遅くないわ。
文章も礼儀正しいし。
>> ずんだ
いや、人んちにこっそり来てるのがキモいのだ。
>> めたん
ざっと目を走らせただけだけど、ここには……。
学術的な見地からのロリコンの歴史と発展。
80年代アニメ文化への影響、そしてプルの誕生がまとめられている。
>> めたん
そして最後には、富野由悠季の仕掛けた罠。
なぜプルが12体必要だったか。そして、……100体目のプル?
そんなことが書かれている。
>> ずんだ
とんでもねえやつに目をつけられたもんだぜ。
>> めたん
見ていきましょう。プルの正体を探して。
>> N
ポイント1.プルの基本情報
>> めたん
手紙の主は、こう切り出している。
>> 手紙の主
プルは、謎めいている。
これほど人気のキャラクターなのに、いまだに出自がはっきりしない。
>> ずんだ
ネオ・ジオンのクローン人間。
やたらカンもいいし、ニュータイプだよね。
>> めたん
そうね。
でも一体、プルが「何から」生み出されたか、はっきりしない。
>> 手紙の主
設定上、プルが生まれたのは宇宙世紀0077年。
クローン技術と遺伝子操作で作られた人工ニュータイプ。
ザビ家の血を引いているという噂もある。
>> 手紙の主
しかしもう、これが矛盾だ。
ニュータイプが実際に「発見」されたのは0079年。
0077年に研究や生産ができるはずがない。
>> 手紙の主
さらに、一部の資料にはこう書かれている。
終戦時、0079年のジオンの戸籍ファイルには、
プルの記録がない。
0077年生まれのプルが、0079年の戸籍に、載っていない。
>> ずんだ
どういうことなのだ。
>> めたん
実際に生まれたのは、一年戦争の終戦後で、
成長を促進させる薬や手術があったんじゃ?
と言われているわ。
>> ずんだ
そういやシロッコも、当初は試験管ベビーの設定だったよね。
>> めたん
そして手紙の主は、
プルがザビ家の血を引いていると推定できる根拠を3つあげている。
>> 手紙の主
一つ。宮殿に入る際、王族向けの最敬礼「捧げ銃」で迎えられている。
二つ。「お前お姫様?」とジュドーに聞かれて、否定していない。
三つ。乗機に必ず、巨大なジオンマークが描かれている。
>> めたん
このジオンマーク、今では有名だけど、
実は当時アニメではほとんど使われてないの。
>> めたん
1stガンダムTV版では、デギンの乗艦グレートデギンに描かれてただけ。
つまりジオンではなくザビ家のマークだった可能性がある。
>> ずんだ
キュベレイMk-Ⅱの肩に、やたらでっかく描かれてたのだ。
ハマーンのキュベレイには描かれてないけど……。
こんな作画の面倒なこと、何かの意図があったのかな。
>> 手紙の主
しかし、すべてはハッキリしない。
明らかな意図を持って作られたデザイナーベビーなのに、
作った者の意図が、わからない。
>> めたん
当時の雑誌を見ると、ザビ家の血を引くことを示す記述がたくさん見つかる。
でも現在、ZZの公式サイトにはこうとしか書かれていない。
「グレミー配下のニュータイプ戦士」。……なぜ?
>> ずんだ
これだけの人気キャラで、出生の謎が残ってる……ってのは、
だいぶ異例のことなのだ。
>> N
ポイント2.「うつくしい」ロリコンの歴史
>> めたん
続いて手紙の主は、いよいよ……。
独自の「美学論」に踏み込んでいくわ。
>> 手紙の主
ロリコン。それすなわち、美学の問いであります。
美学とは何か。
それは感性の問いであり、社会の問い。
究極の人間学と言って差し支えないでしょう。
>> ずんだ
何を言い出したんだろう、この人は。
>> めたん
でもわかるわ。
美醜の問いって、本能的なものと社会的なもの、
どちらも含んでいるのよね。
>> めたん
ふくよかだったり、痩せてたり、好みは人や社会でそれぞれ違う。
手紙の主は、まず日本独自の感性に注目するわ。
>> 手紙の主
西暦1001年ごろに書かれたと言われる、清少納言『枕草子』は、すぐれた文明批評であると同時に、平安人の美学の書です。そこにはすでに、小さくあどけないものを「うつくしい」と感じる、我が国独特の感性が綴られている。
>> 手紙の主
――うつくしきもの。瓜に書きたるちごの顏。雀の子の、ねず鳴きするにをどり来る。
大きにはあらぬ殿上童の、装束きたてられてありくもうつくし。
なにもなにも、ちひさきものはみなうつくし。
>> ずんだ
現代語訳頼むのだ。
>> めたん
かわいらしく、いとおしく感じるものと言えば。
瓜に描いた、赤ちゃんの顔。チュンチュンいう雀の子。
まだ小さい子がおめかしして歩いてる様子。小さいものマジかわいい。
>> めたん
「うつくしい」って言葉の語源は面白いの。
厳か・尊いを意味する「いつくし」。
それが夫婦や肉親の愛情という意味の「うつくし」へ転じた。
>> めたん
それを清少納言が「ちっちゃいものマジうつくし」と言って、
美そのものを表す言葉になった。現代の「kawaii」にも通ずるね。
>> ずんだ
待て待て。ってことは……。
「うつくしい」は好きとかカワイイの前に「尊い」って意味があったの?
>> めたん
そうよ。
>> ずんだ
じゃ、「推しが尊い」みたいなのは、
最近の発明じゃなくてむしろ昔に戻ったのか。日本語すげえのだ。
>> めたん
その通り。
小さいものは「うつくし」。ラブで、カワイイで、マジ尊い。
清少納言は1000年も前に、もうこんな境地に達していたのよ!
>> ずんだ
さすが変態の国、日本だぜ。
>> めたん
手紙はさらに、もう一つの重要な古典文学に触れているわ。
>> 手紙の主
同じ頃の成立と言われる、古典文学の金字塔、『源氏物語』。ここにも小さく、「うつくしい」ものが描かれています。光源氏が生涯もっとも愛を注いだ女性の一人である紫の上は、出会った当時、まだ10歳ほどでした。
>> ずんだ
出たな、変態紳士の元祖、光源氏。
確かかわいい幼女を見つけて、自分好みの女性に育てて、
そのあとおいしくいただいた、平安時代のプリンセスメーカーなのだ。
>> めたん
まぁそこは、現代とはだいぶ価値観が違うからね。
光源氏が初めて紫の上を見たときの記述を見てみましょう。
>> 手紙の主
十ばかりにやあらむと見えて、白き衣、山吹などのなれたる着て、走り来たる女子、あまた見えつる子どもに似るべうもあらず、いみじく生ひ先見えてうつくしげなるかたちなり。
>> めたん
「10歳くらいの、白と黄色の着物で走ってきた少女は、
他のの子とは全然違った。これはだいぶ「うつくしい」女になるぞ……、
というのが、ありありと想像できた」
>> めたん
この後では「スズメが逃げちゃった~」と言って泣いている姿を見て、
「マジうつくし」って感動したりしてるわ。
>> ずんだ
すごいのだ。
日本人は、1000年前からこんなことやってるのだ。
>> めたん
日本はなぜか今でも、幼い、未成熟なものを愛でる文化が強いわね。
女優さんでもゲームのキャラでも、海外のほうがグラマラスでアダルト、
日本の方が未発達で少女的なものが好まれる傾向がある。
>> ずんだ
トゥームレイダーを出してくるのは卑怯だぜ。
日本にだってティファ・ロックハートのようなナイスバディはいるのだ。
>> めたん
でもティファのお顔はどう?
大人の女性というよりは、未成熟の少女という印象が強いわね。
>> ずんだ
確かに。
>> めたん
とまぁこの通り、日本には古来より、
小さく未成熟なものを「うつくし」と感じる美的感性があった。
>> めたん
でもそれは、日本に限った話ではない。
幼さに純粋さや神秘性を重ねる想像力は、世界文学にも繰り返し現れる。
>> 手紙の主
『神曲』ダンテが出会った運命の女性ベアトリーチェは、わずか9歳。
『不思議の国のアリス』のモデルになったアリス・リデルは10歳。
ゲーテが『ヴィルヘルム・マイスター』で描いたヒロイン・ミニョンは、12歳前後。
>> ずんだ
そっか! ダンテとゲーテもか!
じゃあしょうがないね!
>> めたん
ではなぜ人間はそう感じてしまうのか?
手紙の主題はそこへと移っていくわ。
>> N
ポイント3.生物学的・心理学的・社会学的視点
>> めたん
少し長いからダイジェストで行くわよ。
興味を持った人は、それぞれ詳しく調べてみてね。まずは……。
>> 手紙の主
視点一、生物学的、進化論的観点
ネオテニー(幼形成熟)
生物が幼児の特徴を残したまま成長することをネオテニーと呼びますが、人類はチンパンジーなどと比べ、「大きな目、丸い顔、つるつるの肌」などネオテニーの傾向が強い。ヒトが未成熟なものに強い愛着を示すのは、このネオテニーに由来する、という説。
>> めたん
もともとヒトという種族自体が、子供のまま大人になる傾向があった。
だから未成熟な特徴に魅力を感じる……という説ね。
>> ずんだ
ロリコンはヒトの証だったのだ。
>> めたん
さらにこんな主張もある。
>> 手紙の主
視点二、心理学的・精神分析学的観点
コレー
>> 手紙の主
ユングは人間が、潜在意識に「コレー(Kore:ギリシャ語で乙女)」というイメージを持っていると指摘した。現実社会の矛盾や汚れに苦しむ大人は、コレーすなわち少女の中に「失われた純粋性」や「無限の可能性」、さらには「霊的な神聖さ」を見出すという説。
>> ずんだ
えーと、要は……。
会社がツラいから萌えアニメを見る、ってこと?
>> めたん
それでいいわ。
汚れっちまった悲しみの大人から見ると、おにゃのこはいいなぁ。
ピュアピュアのキラキラで、何にでもなれる!ってことよね。
>> ずんだ
言い方を変えるとだいぶ情けなくなるのだ。
>> めたん
この通り、ネオテニーやコレーといった嗜好を人はすでに持っていた。
しかしそれは、長いこと抑圧されていたかもしれない。
最後にこんな説を紹介しましょう。
>> 手紙の主
視点三、歴史的、社会学的観点
<子供>の誕生
フランスの歴史学者、フィリップ・アリエスの説。かつて中世ヨーロッパでは、子供は単に<小さな大人>、労働力として扱われていた。しかし19世紀頃から啓蒙主義やロマン主義、学校教育などが普及し、子供を<大人になる前の準備段階>として区別し、守るべき無垢で純粋な存在として再定義。崇高な美しさを帯びるようになった。
>> ずんだ
学校とかなかったんだ。
>> めたん
昔の子供は、ただの「小さな大人」。
働ける年になったらすぐ畑仕事やらされてた。
>> めたん
ところがルソーが幼児教育、ロマン主義が子供の成長を謳うようになり、
子供は「遊んだり勉強したりするのが仕事」とイメージが変わった。
これにより子供が、無垢で純粋な存在に変化したという説ね。
>> ずんだ
ほえー。
だから<子供>の誕生、ってタイトルなんだね。
>> めたん
これらをまとめると!
>> めたん
人はもともと、子供に魅力や可能性を感じてた。ネオテニーとかコレーのことね。
近代に入って「子供はまだ成長段階」って常識が広がり、その傾向は強まった。
>> ずんだ
人にはもともと、ロリ的感性があったのだ。
>> めたん
ただしここで話しているのは、
あくまで「幼さ」に無垢な魅力や神聖さを感じてきたという話よ。
現実の子供を欲望の対象にすることとは絶対に分けて考えてね。
>> ずんだ
イエス、ロリータ。ノータッチ。なのだ。
>> めたん
さてこうして、いよいよあの問題作が登場するわ!
>> N
ポイント4.ナボコフから和製ロリコン文化へ
>> めたん
1955年。世界的に大ヒットし、
日本ではロリータ・コンプレックスの語源として有名になる、あの小説が登場する。
>> めたん
ウラジーミル・ナボコフ、『ロリータ』。
有名な、その書き出しを紹介するわ。
>> 手紙の主
ロリータ。
我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。
ロ・リー・タ。
舌の先が口蓋を三歩下がって、三歩めにそっと歯を叩く。
ロ。リー。タ。
>> めたん
実際に口に出してみて。
3つ目の「タ」の音で、ちょうど舌が歯の裏を叩く。
彼女の名前の音自体を崇拝し、神格化しているのね。
>> ずんだ
本物なのだ。
>> めたん
主人公ハンバート・ハンバートは、
12歳の少女ロリータを手に入れるためにあらゆる手段を尽くす。
>> 手紙の主
私のほうはといえば、いかにも変質者らしく、純真そのものだった。
>> めたん
変質者は純真。そして醜い。こうも言っている。
>> 手紙の主
私はおまえを愛した。私は五本足の怪物のくせに、お前を愛したのだ。
>> ずんだ
五本脚の怪物?
>> めたん
手が2本と、脚が2本。そして両足の間に、脚がもう一本。
その五本の脚で歩く怪物が自分だ、と言っているの。
>> ずんだ
キモ表現が天才的なのだ。
>> めたん
1955年といえば、第二次世界大戦が終わって10年。
世間ではTシャツとミニスカート、ロックンロールが大流行。
ヒッピー文化や太陽族など、享楽的な文化が栄えた。
>> めたん
そんな中、性のタブーも解放されていったわ。
ロリータの流行もそういった現象の一つと捉えられる。
>> めたん
しかし手紙の主はこう書いているわ。
>> 手紙の主
ナボコフのロリータが、和製英語である『ロリータ・コンプレックス』の語源であることは論を待たない。ただし両者の間には断絶がある。ナボコフの『ロリータ』が支配欲と犯罪、精液の匂いに満ちているのに対し、日本のロリコン文化は純真無垢かつ神聖な存在への賛美から花開いていく。
>> めたん
日本でのブームがいつから始まったのかについては、
様々な意見があるわ。
>> めたん
そもそも漫画の神様・手塚治虫の描く女性キャラ。
『奇子』のような典型的ファム・ファタールの他に、『リボンの騎士』や『メルモ』のような変身ヒロインの原型もある。
>> めたん
80年代には吾妻ひでおや内山亜紀が、
あどけなくも蠱惑的なキャラクターデザインで人気を博す。
>> めたん
さらに若かりし日の宮崎駿監督は、無垢だが強い少女を多数描いた。
『未来少年コナン』のラナや、
79年公開の映画『ルパン三世 カリオストロの城』のクラリスが有名ね。
>> 手紙の主
クラリス「あの方は何も盗らなかったわ。私のために戦ってくださったんです」
銭形「いや、奴はとんでもない物を盗んでいきました。……あなたの心です」
>> めたん
クラリスの設定年齢は17歳だけど、彼女に求婚するカリオストロは、
劇中でルパンに「ロリコン伯爵」と呼ばれている。
>> めたん
さらに82年には『魔法のプリンセス ミンキーモモ』が放映開始。
クリィミーマミや魔法少女もののフォロワーを生んでいく。
>> めたん
『ひみつのアッコちゃん』など女の子が主役のアニメはすでにあった。
でも80年代、ヤマトやガンダムの流行でアニメファンの年齢層が上がり、
少しずつアダルトな作品も増えていく。
>> めたん
82年には成人向け漫画雑誌・レモンピープルが創刊。略称は「LP」。
エルピー・プルの名前はここから来ている……という俗説もあるわ。
監督は一応、否定してるけどね。
>> めたん
さらに84年には成人向けOVAアニメ、くりいむレモンシリーズの第1作、
義理の兄と妹の禁断の性愛を描く『媚・妹・Baby』がリリース。
成人向けOVAの知名度を、ぐっと全国区へ押し上げたわ。
>> めたん
そして本作で兄役を演じてたのが、カミーユ役の飛田展男さん。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん……!」と妹に慕われる姿に
インスパイアされて生まれたのが、ロザミア・バダムだと言われている。
>> ずんだ
過去のメンバーシップ限定動画では、『媚・妹・Baby』特集、
当時の映像も交えて紹介してるのだ。ぜひ見てね。
>> めたん
こうして80年代、着々とアニメ業界のロリコン文化は熟成していった。
クラリスやモモはアニメ誌の人気ランキングで首位を独走。
>> めたん
同じ頃、世間ではバブル景気が最高潮を迎える。
アニメも徐々にギャグやエンタメ、そしてラブコメが増えていく。
>> ずんだ
うる星やつら、めぞん一刻、きまぐれオレンジロード……。
黄金時代なのだ。
>> めたん
軽く年表にまとめてみましょう。
>> 手紙の主
1955年 ナボコフ『ロリータ』
1979年 『カリオストロの城』クラリス
1982年 『魔法のプリンセス ミンキーモモ』
1982年 『レモンピープル』創刊
1983年 『魔法の天使クリィミーマミ』
1984年 『くりいむレモン』
1986年 『機動戦士ガンダムZZ』エルピー・プル登場
>> めたん
機は熟した。
この状況の中で、いよいよプルが誕生するのよ!
>> めたん
セリフと演出から読み解く!
機動戦士ガンダムZZかーいせつ!!
>> ずんだ
セリフと演出から読み解く!
機動戦士ガンダムZZかーいせつ!!
>> N
ポイント5.プルの誕生
>> めたん
手紙の主はプルの登場について、
まず富野由悠季の「戯作者としてのカン」を述べている。
>> 手紙の主
富野由悠季氏の才能とは、何でありましょう。
コンテの達人。映像演出の専門家。独創的でケレン味のあるオリジナルストーリーの発案者。しかし次の点は見逃されがちです。
>> 手紙の主
それは、換骨奪胎と時代の波を読むことに長けた、戯作者としてのカン。文化のサンプリング、およびリミックス能力とでも呼ぶべきものです。
>> ずんだ
サンプリングとリミックス?
>> めたん
例えば。
初代『機動戦士ガンダム』は実に独創的な作品だった。
でも一つ一つの要素はどうかしら?
>> めたん
ベースは『十五少年漂流記』と巨大ロボットもの。
そこにミリタリーや軍記物、映画や講談のチャンバラ活劇要素、『幼年期の終わり』や『月は無慈悲な夜の女王』他SF要素を取り入れた。
>> ずんだ
以前もそんな話、サブチャンネルでしてたのだ。
>> めたん
中世ファンタジーを取り入れた『ダンバイン』や、
異文明との接触や終末論をモチーフにした『イデオン』。
国家間の代理戦争や経済戦争を取り入れた『Zガンダム』。
>> ずんだ
いろんなものを混ぜて新しいものを作る能力が超高いのだ。
>> めたん
手紙の主はこう続けるわ。
>> 手紙の主
時代の波を読み、視聴者の欲望を感じ取った上で、そのエッセンスを組み合わせる天才。それが富野由悠季、第一の力であります。
>> 手紙の主
そして、すでに述べた通り、エルピー・プルは作中の設定でもデザイナーベビー。遺伝子操作されて生まれた生命ですが、それ以上に……。富野由悠季によって完璧な配合を計算され尽くした究極のデザイナーベビー。熟成されつつあった和製ロリコン文化の、完璧な配合物なのです。
>> 手紙の主
そして、すでに述べた通り、エルピー・プルは作中の設定でもデザイナーベビー。遺伝子操作されて生まれた生命ですが、それ以上に……。富野由悠季によって完璧な配合を計算され尽くした究極のデザイナーベビー。熟成されつつあった和製ロリコン文化の、完璧な配合物なのです。
>> ずんだ
プルは富野さんの、デザイナーベビー。
>> 手紙の主
進化論的ネオテニーなルックス。精神分析が示す神聖で純真なコレーのイメージ。社会学が語る、崇高なモラトリアムとしての<子供>の誕生。そして80年代アニメ文化が生んだ、「お兄ちゃん大好き」という全幅の愛。
>> ずんだ
最後だけ何だか急にゲスだぜ。
>> めたん
しかしこれこそ、最も重要な要素なの。
プルの原型、ロザミアもまた、根拠なくカミーユを好いていた。
お兄ちゃんが好きなのは、お兄ちゃんだから。
>> めたん
そこに理由はない。完璧に無垢な愛。
だからこそ透明だし、ファンは自己投影ができる。
>> めたん
ただしロザミアは、見た目が大人で中身がロリ。
富野さんは初手でレベルの高すぎる配合物を作ってしまった。
ザクのあと、グフをすっ飛ばしてギャンを作るようなもの。
>> ずんだ
飛ばしすぎなのだ。
>> めたん
そこでプルが作られた。
>> 手紙の主
プルはなぜジュドーを愛しているのか? 作中、そこに説明はない。ただ、孤独に育ち、誰かからの庇護を求めていたプルは、ジュドーに<兄と妹>という関係を求めた。純真で無垢な、性的ではない、「うつくしい」の愛の関係。
>> 手紙の主
「理由なき愛」。これがハーレムアニメの典型例なのは、視聴者が感情移入する上で極めて重要だからだ。容姿や能力が理由で、好きになったのではない。ただ、「あなたがあなただから好き」。だから視聴者も、自分を感情移入できる。
>> ずんだ
ハーレムアニメって現代まで続いてるけど、
確かにみんな、特にパッとしない主人公を全力で愛してくれるのだ。
>> めたん
理由なんかない。あなたがあなただから好き。
だからこそ視聴者は、キャラクターに自己投影できる。
>> めたん
これは、見方によってはとっても<都合のいい存在>よね。
特に努力をしなくても、勝手に好きになってチヤホヤしてくれる。
これをオタクの都合のいい妄想だと批判する人もいるわ。
>> めたん
これについて手紙の主はこう言っている。
>> 手紙の主
それは80年代という<恋愛の時代>が生んだ、反動であります。お見合い結婚が古臭いものとなり、自由な恋愛結婚が賛美され、トレンディドラマが時代の聖典とされた。若者はスキー場へ詰めかけ、合コンで模造品の恋愛ソングを歌い、交尾の相手を探す。……そんなものは、うんざりだ。そう思った若者は、少なくありません。
>> 手紙の主
それは80年代という<恋愛の時代>が生んだ、反動であります。お見合い結婚が古臭いものとなり、自由な恋愛結婚が賛美され、トレンディドラマが時代の聖典とされた。若者はスキー場へ詰めかけ、合コンで模造品の恋愛ソングを歌い、交尾の相手を探す。……そんなものは、うんざりだ。そう思った若者は、少なくありません。
>> 手紙の主
それは80年代という<恋愛の時代>が生んだ、反動であります。お見合い結婚が古臭いものとなり、自由な恋愛結婚が賛美され、トレンディドラマが時代の聖典とされた。若者はスキー場へ詰めかけ、合コンで模造品の恋愛ソングを歌い、交尾の相手を探す。……そんなものは、うんざりだ。そう思った若者は、少なくありません。
>> 手紙の主
歌謡曲と電通に洗脳され、股間を膨らませながら街を歩く若者たち。己のことを<五本脚の醜い自分>と恥じた、あの醜いハンバート以下の存在!
精液の匂いのする汚い現実社会を忌避した精神的貴族たちが、その逃避先として見出したのが、虚構の世界。すなわちアニメーションの中のロリータだったのです。
>> ずんだ
恋愛社会を嫌い、アニメの中へ……。
>> めたん
そして、そこへ富野神が授けた天使が、プルだった。
純真無垢、自由で神聖。かつ性的でない、庇護と愛情の存在。
>> めたん
そのプルの完璧さについて、手紙の主は2つの説を引用している。
>> 手紙の主
・オタクのロリコンは、「アニメの絵」という記号や虚構に
対してのみ作動する欲望のシステムであり、小児性愛とは異なる。
(斎藤環『戦闘美少女の精神分析』)
・日本サブカルにおける少女とは、大人への過渡期。
労働・生殖などの現実に囚われない、圧倒的に自由で神聖な存在。
(批評家・大塚英志『少女民俗学』より)
>> ずんだ
どれもプルに当てはまるし、
これまで見てきたコレーがどうとかいうのと似てるのだ。
>> めたん
似るのも当然。
富野さんが時代や流行からエッセンスを抽出し、
完璧に配合したのがプルなんだから。
>> ずんだ
富野さんの時代を嗅ぎ取る力はすごいのだ。
>> めたん
1stでは、アムロという内向的だがイライラしたキャラを作った。
Zでは、劣等感と暴力衝動とナイーブさの同居するキャラを作った。
どちらも時代をよく切り取った、すごいキャラよね。
>> めたん
そしてZZでは、熟成しつつあるロリコンブームを見抜き、プルを作った。
「今、大衆が欲しがっているのはこれだろう」
と言って、ある意味では都合よく、完璧に配合されたキャラなのよ。
>> めたん
だから富野さんは、有名な話だけれど、
プルのアフレコの際こんな演技指導をしている。
>> 手紙の主
「オジサンが見て、かわいいという感じでやってくれ」
>> 手紙の主
「オジサンが見て、かわいいという感じでやってくれ」
>> ずんだ
お、おう……。
>> めたん
演技指導ってふつう、役の気持ちを伝えるのよ。
でもこれは、「オジサンからどう見えるか」という他者の視点。
主体ではなく客体、欲望の対象としてプルはデザインされた。
>> めたん
これを指して、手紙の主はこう言っているわ。
>> 手紙の主
小生は冒頭で、こう書きました。
ロリコンとは、美学の問題であると。
そして富野由悠季氏は、
複雑になりがちなこの問いに対し、
単刀直入にこう答えた。
美とは、プルである。
>> 手紙の主
小生は冒頭で、こう書きました。
ロリコンとは、美学の問題であると。
そして富野由悠季氏は、
複雑になりがちなこの問いに対し、
単刀直入にこう答えた。
美とは、プルである。
>> ずんだ
めちゃくちゃ言ってないか。
>> 手紙の主
蛇足ながら、あえて弁を弄すればこうも言えましょう。現代における美とは、写生(リアリズム)にも戯画(カリカチュア)にもない。それはアニメという記号(セミオロジー)と虚構(フィクション)だからこそ描ける、圧倒的な自由と神聖さ。幼くも崇高、無垢にして真なる愛。
>> 手紙の主
自由! 無垢! 神聖!
このことを富野氏とプルは、
一言で言い表しております。
すなわち……。
>> 手紙の主
プルプルプルプルプル!
>> ずんだ
そ、そうか! プルとはすなわち、プルプルプルプルプルだったのか!
>> めたん
お風呂とパフェと、ジュドーが大好きで、プルプルプルプルプル!
圧倒的な自由と無垢、神聖さ。
>> めたん
アムロやカミーユは、現代の若者の写生、ないし戯画だった。
プルは違う。プルは、アニメという虚構でのみ描ける幻想。
そこで響き渡る、プルプルプルプルプル!
>> ずんだ
何だか急に、プルが崇高なものに思えてきたのだ。
>> めたん
プルにはロリコン文化のすべてが詰まってる。
クラリスのような「純真無垢」。
吾妻ひでお作品のような「記号的な可愛さ」。
>> めたん
ミンキーモモの「無邪気さと強さ」。
そしてくりいむレモンの「お兄ちゃん!」。
自分だけを無根拠に愛し、求めてくれる甘美な存在。
>> めたん
もちろん、プルは単なる愛玩物ではない。人格のある存在よ。
作中、嫉妬もするし、怒りもするし、戦うし、死を選ぶ。
それはまるで作られた存在から、一人の人間になろうとしているよう。
>> めたん
しかし元は、ザビ家の遺伝子を残すためのデザイナーベビー。
そしてメタ的には「オジサンが喜ぶように」デザインされた存在。
視聴者の庇護欲に極めて強く訴えるよう作られている。
>> めたん
手紙の作者はこう言っているわ。
>> 手紙の主
画家の仕事が美の創出ならば、描くのは現実でも虚構でも良いはずです。
富野氏は、ここに虚構だからこそ「うつくしい」、プルを想像した。
純粋に美学的な存在。それがプルなのです。
>> ずんだ
僕もプルが好きになってきたぞ。
プルプルプルプルプル!
>> めたん
でもここから、手紙の主の筆致はちょっと変わり……。
話題は、富野由悠季への、愛と憎悪がにじみ始める。
>> N
ポイント6.プルツーが存在する意味
>> めたん
手紙の主は富野氏が、
時代の欲望に答えてみせる「戯作者」であると同時に、
類まれなる「批評家」でもあると綴っている。
>> 手紙の主
<戯作者・富野>は、
優れた戦記物、MS活劇を書く<rb娯楽作家,エンターテイナー>。
一方、<批評家・富野>は、
時代や権力、ときに視聴者までも鋭く斬る、怜悧な<rb論客,クリティック>です。
>> 手紙の主
そしてZZにおいて<戯作者・富野>は、
大人に都合のいい、完璧な美の配合としてのプルを生み出しました。
と同時に<批評家・富野>は、
プルツーを生み出すことでプルとアニメを批評したのです。
>> 手紙の主
そしてZZにおいて<戯作者・富野>は、
大いに都合のいい、完璧な美の配合としてのプルを生み出しました。
と同時に<批評家・富野>は、
プルツーを生み出すことでプルとアニメを批評したのです。
>> めたん
プルがロリのデザイナーベビーならば。プルツーは一体何か?
手紙の作者はこう続けるわ。
>> 手紙の主
プルツーもまた、
大人にとって都合よく生み出されたデザイナーベビーです。
ただし富野氏は、この2人目のプルを、
愛と幻想の供物としてではなく、死と戦争の生贄として捧げた。
>> 手紙の主
つまり、どちらも大人に都合よくデザインされたものでありながら、プルとプルツーは真逆の神に捧げられた存在と言えます。愛に捧げられたプルと、死に捧げられたプルツー。つまりこれは、写し絵というより、鏡写しなのです。
>> めたん
プルツーはプルのクローンだけど、完全に戦闘用。
その完成度は、コールドスリープから覚めた直後の
グレミーとオウギュストの会話からもうかがい知れるわ。
>> 手紙の主
グレミー「すでに半年は冬眠させている。ニュータイプ部隊の先兵。私が手塩にかけてきた戦士だ」
オウギュスト「このニュータイプを見れば、グレミー様に怖さを感じますな」
>> ずんだ
見ただけでオウギュストが圧倒されてる。
よっぽどすごいんだろうね。
>> めたん
実際プルツーは、他の強化人間なんかとは段違いに安定している。
それていてプルと同等のニュータイプ能力や操縦センスを持っている。
>> めたん
戦闘に最適化された、攻撃性の塊。
主人公ジュドーを愛すのではなく、まっすぐ殺しに来る存在。
>> めたん
プルと出会い、言葉を交わす中で気持ちがブレていくけれど、
当初は淡々とモビルスーツで出撃し戦う、完成された戦士だったわ。
>> ずんだ
確かにプルとは真逆なのだ。
>> めたん
でもこれも、プルとは違う意味で「大人に都合のよく生み出された存在」。
ただしこちらは愛や美ではなく、戦争に最適化された存在。
>> めたん
以前から度々指摘している通り、
富野さんが一番嫌うものは、人が人を利用し、モノのように扱うこと。
>> 手紙の主
「人間を道具にして! それは人が人に、一番しちゃいけないことなんだ!」
>> めたん
プルツーは戦争のためだけに作られた戦闘少女。
プルとは違う意味で、「都合」で作られた悲劇の存在なのよね。
>> 手紙の主
富野氏は、アニメという虚構の中、
まずプルで甘美な愛の夢を見せておいて、
プルツーで戦争に利用される少女の悲劇を示した。
さらには、プルツーに、プルを、殺させた。
死が、愛を、征服したのです。
>> 手紙の主
何度も愛の夢を見せては、
何度も戦争を起こして、殺す。
それを繰り返しているのが、ガンダムです。
その2つの<都合良さ>を、鏡写しの少女で示した。
これは、アニメの賛美と同時に、皮肉でもあるのです。
>> ずんだ
か、かかか、考えすぎでは。
>> めたん
しかし確かに、プルとプルツーは、『重力下のプルツー』において、
お互いという鏡を覗き込み、何かに気づく。
>> 手紙の主
「人間はね、自分を見るのが不愉快なのよ。でもね、どんなに不愉快でも、どんなに憎くっても、自分自身を殺すことも、自分自身をやめることもできないのよ」
>> めたん
2人はお互いという鏡を覗き込み、何かに気づく。
2人はちょっとずつ違うけど、多くの部分を共有しているのね。
>> めたん
そしてそれを振り払うように叫ぶ、最後のセリフはこれ。
>> 手紙の主
「私は、エルピー・プル!」
「私はプルツーだ!」
>> めたん
そして……。
手紙の作者はさらにこう続けるわ。
富野由悠季の真の「批評性」は、むしろここからはじまるのだと。
>> N
ポイント7.プルが12体存在する意味
>> めたん
ZZのラスト、グレミーの「ニュータイプ軍団」の残りが出撃するわ。
>> めたん
顔はプルとプルツーにそっくりだけど、
声はファ・ユイリィ役の松岡ミユキさん。
パイロットスーツの色も全然違う。
>> めたん
通説ではこれが、12体いると言われるプルシリーズ。
性能ではプルツーに劣る、劣化コピーとする説もあるわ。
>> めたん
このプルシリーズの存在こそが<批評家・富野>の真骨頂だと言って、
手紙の主はこう書いているわ。
>> 手紙の主
なぜ12体なのか? それは12が、<1ダース>だから。1人・2人という個性を捨てて、工業製品のように、あるいは出荷される野菜のように、ダースという商品単位で数えられる。
>> 手紙の主
12とは、特殊な数だ。キリストの使徒も、オリュンポスの神も、干支も星座も12。時計も、月も、オクターブの中にある音階の数も12。それは12進数と関係している。1・2・3・4・6と、多くの約数を持つ数。両手の指で数えられないくらい多く、「群れ」「大勢」を表す。
>> 手紙の主
富野はプルをプルツーで殺した。そこへさらに10体のクローンを投入し、1ダースの「群れ」とすることで、もう一度殺した。
>> 手紙の主
プル1人の死は悲劇である。プルツーと2人でもまだ、それは悲劇だ。
しかし、12体とすることで、いよいよ富野はプルたちを
<愛の偶像>でも<死の供物>でもなく、<ただの大量生産品>にしてみせた。
実際、3体目以降の殺され方を、皆さんは覚えているだろうか?
>> めたん
「お前らなんか、ただのコピーだ」。……そういうことかしら?
>> ずんだ
で、でも、プルトゥエルブは最後には、
マリーダさんとして個性を持ったのだ。
>> めたん
それは彼女が生き延びて、名前を付けてもらったからよ。
覚えているかしら? フォウとカミーユのエピソードを。
>> めたん
フォウもカミーユも、最初は自分の名前が嫌いだった。
でも相手に知ってもらい、名前を呼んでもらうことで、
最後には自分の名前を好きになれた。
>> めたん
誰かがいるから、私がいる。
覚えているかしら? プルが死ぬときの、プルツーとの最後の会話。
>> 手紙の主
「私は、エルピー・プル!」
「私はプルツーだ!」
>> めたん
まるで、自分が消されないように、自分の名前を叫んでいるみたい。
でも名前は本当は、自分じゃない誰かに呼んでもらわないと意味がない。
>> めたん
プルトゥエルブは、ジンネマンに拾われてマリーダになった。
「たくさんいる大量生産品の一つ」から、個人になった。
>> めたん
この辺りから少し、筆跡が乱れる。
でも手紙の残りもわずかだわ。読んでみましょう。
>> N
ポイント8.無限に増えるプル
>> 手紙の主
プルは二度殺された。プルツーとプルシリーズに。
いや違う。殺したのは、富野さん、あなたです。
>> ずんだ
な、流れ変わったな。
>> 手紙の主
福井晴敏も同罪です。娼婦に落としたり救ったり、弄んでおいて最後は結局戦争で殺す。あなたも富野と同じ身勝手な大人だ。
>> 手紙の主
しかし私は気づいたのです。この大量生産のシステムを逆向きに駆動させることができれば、あるいは……。プルは解放され、真なる自由と尊厳、愛を与えられた、本当の<私たちの子ども>として<誕生>する。
>> ずんだ
何言ってるかさっぱりわからねえのだ。
>> めたん
実は今、プルシリーズはもう、12体どころではなくなっているの。
>> ずんだ
えっ。まだ増えてんの?
>> めたん
まず、『ガンダムUC』と同年の2007年。
漫画『ジオンの幻陽』にて、グレミーから贈られた3体のクローン兵士が描かれた。
ナンバー880831E、ナンバー880831LO、ナンバー880831FA。
>> ずんだ
これでもう、15体なのだ。
>> めたん
さらに2014年、同じくスピンオフ漫画『AOZRe-Boot』にて、
アリシア・ザビというプルクローンが登場。
さらにそのクローンが大量に出演している。
>> めたん
そして2023年にはゲーム「U.C.ENGAGE」で、
ノン、リン、レイという3体のクローンが登場。
これらは基準の性能を満たせなかった規格外製品という設定よ。
>> ずんだ
もう何体いるんだ?
>> めたん
数え方にもよるけど、30体近くいるわね。
このペースで増加すると、2100年頃にはプルは100体を超えている。
>> ずんだ
友だち100人できたのだ。
>> めたん
「規格外製品」とか「認知されていなかった」みたいな設定が増えてきた。
これを使えば、いくらでも、好きなだけ増やせるわね。
>> ずんだ
やりたい放題やりやがって。
>> めたん
手紙の主も憤りを覚えているわ。
>> 手紙の主
富野による大量生産! ゲームや漫画を作るためだけに増やされるプルたち!
何と軽薄な生命倫理! 大人の都合で弄ばれる命!
怒りを覚える者も多いだろう。特にプルを真に愛する者ならば……!!
>> 手紙の主
だから……。
>> 手紙の主
――私たちは、無限に増えるプルを、無限に愛す。
劣化していても、規格外でも、完璧でなくともいい。
理由ははいらない。君が君であればいい。
名前をつけて、呼んであげよう。
そうすれば君はもうクローンでも工業製品でもない。
私の子どもになる。
>> ずんだ
どうしたどうした。
>> めたん
あと、最後の1ページ……。
読む? やめとく?
>> ずんだ
えーっと……。
>> ずんだ
わっ!
>> めたん
きゃっ!
>> ずんだ
……誰か来たけど、気になるから読んじゃうのだ!
>> めたん
どれどれ。……最後は短いわね。
>> 手紙の主
私もようやく先日、3体ほど、プルのコピーを手に入れました。
粗悪品ではありますが、かわいいものです。
>> 手紙の主
彼女を使って、新たな研究成果が上がり次第、ご連絡差し上げます。
ぜひ貴チャンネルでご紹介いただきたい。あぁ、いや……。
>> 手紙の主
後ほど1体、分けて差し上げましょう。
何とでも、都合のいいようにお使いください。
ただし、名前だけはつけてあげてくださいね。
>> 手紙の主
かわいい名前、つけてあげてくださいね。