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[音楽] 競争学部長の荒屋です。競争学部は2018年に九州大学が50年ぶりに作った新しい学部です。なぜ50年ぶりに新しい学部を作る必要があったのか。それは今この世界が抱える問題、例えばコロナのパンデミック、地球規模での気候変動、生物多様性の喪失、民族間の紛争。こういった問題を解決するには、これまでの1つの専門性では解決ができないからです。幅広い専門性を背景に様々な角度から問題を解析し、それを解決する能力が求められます。競争学部ではこのコンセプトの元に課題解決型事業を展開しています。皆さんがこの先世界を背負って立つリーダーとして活躍できるよう、競争学部で頑張っていただきたいと思っています。
競争学部を目指す高校生の皆さんに心がけていただきたいことがあります。それはまず、ネットの情報を信用するなということです。皆さんの世代はSNSを含めすぐにネットに飛びついてしまうものと思います。しかしながら、ネットの情報というのは実は、いわゆる査読だとか検索が入っていません。その人が好きに書いたことがそのまま現れます。フェイクニュースといった言葉、おそらく皆さんも聞いたことがあるかと思いますが、同じ内容を意図的に変えて伝えることもできるわけです。高校生の皆さんに望みたいことは、アナログに聞こえるかもしれませんが、まず活字本や新聞などを読んでいただきたいと思います。本や新聞は必ず編集者の目、あるいは読者の目にさらされた結果です。身の回りに溢れる情報の中で、何が信用できるか、何が本当なのか。そういったことを見抜く目を身につけて欲しいと思います。そのためには日頃から身の回りにrる情報にアンテナを貼り、そのアンテナの中から取捨選択をして自分に必要な情報。さらにその必要な情報が本当に誤っていないのか、正しいのかということを常に疑いながら情報について目を通していただきたいと思っています。
また、競争学部では現場重視、フィールドワークを重視しています。先ほど本を読めと申しましたが、本を読むだけではなく、実際の現場に出かけて現場の様子を是非その目で見て、耳で聞き、判断をしていただきたいと思います。
競争学部の学生さんの1番大きな特徴はその多様性です。留学生の数が1番九州大学の学部の中で多い。これが大きな特徴です。全ての事業が留学生と日本の学生さんを混ぜた形で行われます。例えばグループワークでは5人ぐらいのグループに必ず1人2人の留学生が入ることで、おのずと英語を見つけることになります。自分の感情や考えを英語で言うことは思った以上に難しい部分がありますが、競争学部ではその点、英語の力を伸ばすための事業にも力を入れています。皆さんは競争学部に入ると、1番最初に感じるのは英語の授業が大変だ、英語の授業が多い、こういった苦労でしょう。しかしながら、競争学部で2年間かけて英語を身につけた学生さんは、留学先でも全く不自由なく留学生活を送り、知識を身につけることができています。皆さんも競争学部に入って、世界の様々な国々の留学生と接し、英語能力を磨き、自分の知識や考えを英語で発信できる、こういった学生さんを目指して欲しいと思っています。
競争学部を卒業した学生さんの進路についてです。大きな特徴は国際企業や海外の大学院に進学した学生さんが複数いるということです。これも日頃から競争学部で留学生と接し、英語の力を身につけたその成果だと思っています。入試の時に競争学部では小論文を貸しますが、その中で国際問題を解決したい、世界を平和にしたい、食料問題を解決したい、こういった漠然とした将来の目標を掲げてくる学生さんがたくさんいらっしゃいます。その漠然とした目標を競争学部の学びを通して具体的な目標に置き換え、そして就職先を決めていく。こういった学生さんをこれまでも見てきました。その一方で、自分の出身の自治体等に就職する学生さんもかなりいます。今の時代、1つの自治体が例えばSNSを通して世界一の自治体として広告を出すことが可能です。こういった部分、競争学部の学生さんは世界に羽ばたくだけではなく、地元に地に足をつけた就職先。こういった考えで就職先を選ぶ学生さんもかなりいます。一口申し上げると、競争学部の学生さんの進路は、これまでの専門性の高い学部の非常に限られた就職先とは大きく異なります。学生の多様性を反映した多様な進路、多様な進学先がある。こんなことが見て取れるかと思います。一方で、進学先の先生方、あるいは就職先の皆さんからも、競争学部の学生さんは非常に高い評価を受けています。自ら物を考え、それを正しく人に伝えることができる。こういった競争学部での課題解決型事業の成果が現れているのだと思います。皆さんも競争学部に入学し、自分の力を磨き、世界に羽ばたくリーダーとなれるよう頑張っていただきたいと思っています。
[音楽] 競争学部生のスタイル。それは幅広い専門性を身につけるということ。これまでの既存の学部では特定の分野の専門性を徹底的に追求するスタイルでした。しかし競争学部では、現在の世界が抱える地球規模の課題を解決するのに、様々な専門性を身につけてほしい。そう考えています。しかもその専門性について、1つ1つは既存の学部の専門性に負けないぐらい追求を目指していただきたいと思っています。しかし、このことは大きく矛盾する対応です。専門性を高めつつ、それを幅広く身につける。この矛盾した要求、この困難な要求をどのように達成したら良いのでしょうか。これは私の試験ですけれども、皆さんには何か1つ、自分の好きなものを見つけていただきたいと思っています。私の専門は生物学、その中でも虫学です。特に私が専門としてる対象はいわゆるクワガタムシです。クワガタムシはこれまでも、クワガタムシを求めて世界の70カ国以上で、70カ国以上で調査を続けてきました。そのモチベーションはクワガタムシの全てが知りたいという気持ちです。クワガタムシの全てを知るために、私は生物学の中のいわゆる専門分野、まあディシプリンという風に呼べるかと思いますが、例えば分類学や形態学、生物地理学、進化学、発生学、遺伝学。そういった全てのディシプリンを、好きなクワガタムシを知るための、私はアプローチの方法だと考えています。皆さんも何か好きなものを見つけていただく。例えばそれが好きな国であれば、その国の自然環境、歴史、民族、言語、社会。そういったもの全てを身につける必要があります。歴史上の人物であれば、その人物が生まれた国についての情報、生まれた時代、背景。そういった幅広い部分を身につける必要があります。しかしながら、好きであれば、そのモチベーションを下げずに追求ができるのではないでしょうか。幅広い専門性を身につける、この矛盾した要求、困難な要求に対して、是非自分の好きなものを見つけ、その好きなものを追求していく。言葉は悪いかもしれませんが、オタクの精神。これをもって競争学部で学んでいただければと考えています。